いつから作られていたの?
いつから作られていたの?

昔の製法

昔の製法

かつて納豆は、冬の農閑期に自家でつくるものでした。農作業の手が空く厳寒の中、農家の人たちは稲を用いて縄をない、生活用品や納豆のつとに仕立てます。ほかにも味噌や漬物の仕込みといった保存食づくりに励む中で、納豆作りも行われ、自家消費ばかりでなく、販売用ともなりました。

基本的な作り方は、蒸煮した大豆をわらつとで包み保温する、それだけです。保温には、発酵熱だけを用いる場合と、湯たんぽなどで可温する場合がありますが、いずれにしても保温のしかたにはローカル色が濃く現れ、まるで納豆菌との知恵比べ。“郷土発酵”とよびたくなるような豊かさです。中には昭和初期まで行われていた保温法もあります。

秋田県「桧山納豆」
煮豆を仕込んだわらつとを木箱に詰め、おかくずをたっぷりとかけたのちにムシロで多い、さらに重しをのせて発酵させる。

新潟県「桶納豆」
煮豆を仕込んだわらつとを桶に並べ、わらくずをたっぷりとかけたのち、ムシロで包む。

東北地方「雪納豆」
行きの下に1m刺胞の穴を掘ってわらくずを敷く。そこにわらで包んだ煮豆入りのわらつとを入れる。通気口となる管を差し、雪をかけて保温する。

埼玉県「へっつい納豆」
へっつい=かまどの余熱を利用して保温する。調理のあと、まだあったかい灰の奥に、濡れたムシロで包んだわらつとを置く。

山形県「吊るす納豆」
煮豆を詰めたわらつとをむしろで包む。ムシロの両端をロープでくくり、天井から吊るす。囲炉裏やへっついの熱気が上昇することを利用する。

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