いつから作られていたの?
いつから作られていたの?

気候的

納納豆文化のあるアジア地域は、温暖帯性の常緑広葉樹帯と大部分が重なっています。温暖帯性の常緑広葉樹は照葉樹ともよばれ、カシ、クスノキ、ツバキなどがそれにあたります。

照葉樹林帯は、モンスーン(季節風)の恩恵を受けた、湿潤で比較的温暖なエリアであり、米を中心とした農耕文化に富んでいます。

日本には照葉樹林に対応するものとして、温暖帯性の落葉広葉樹であるナラ(ブナ)の林があります。つまり、比較的温暖な地で、納豆文化は受け継がれてきたのです。

温暖湿潤であること

アジアの照葉樹林帯、日本のナラ林帯とも、比較的温暖で、なおかつ湿潤な気候です。
納豆菌をふくむ枯草菌による大豆の発酵には、ほどよい温度と湿度が欠かせません。

日本の納豆と韓国のチョングッチャンを除き、アジアの納豆は、現代でも植物についた天然の枯草菌を用いて、自然に任せた発酵を行っています。納豆の容器となる照葉樹の葉の入手が容易なことや温暖で湿潤な気候は、アジアの納豆を醸すのに好条件なのです。

日本的場所

昔の日本やアジアの納豆地域と同じように、納豆を“うまみ出汁調味料兼、具”とする食文化が現代に継承される地域があります。最も色濃いのが東北地方です。

納豆汁や、できあがった納豆に塩と米麹を混ぜて熟成させる、いわば再仕込み納豆が東北各地で今でも食べられています。
ひきわり納豆に塩と麹を加えた「五斗納豆」や「雪割納豆」は、汁の出汁にもなれば、ごはんのおかず、酒のあてにも最高です。

納豆汁は、千葉県房総の伝統料理「豆造」や京都の寺に伝わる「妙心寺汁」など、ほかの地域にもありますが、やはり東北地方が本場といってよさそうです。

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