納豆がどのようにして生まれ、愛され、受け継がれてきたかを紐解きます。
ゆでた大豆を稲わらなどの枯草に包んで置いておくといつのまにか発酵して美味になる、という事象が発見なのか発明なのかはさておき、納豆の歴史の始まりはじつは定かではありません。
なぜなら、人類が文字をもつ以前から、その歴史は始まっていた可能性があるからです。
日本では縄文時代中期(紀元前4000年前後)にはすでに大豆が栽培されていたことが分かっているので、時を同じくして納豆が“発見”されていても、何ら不思議はありません。
しかし、縄文時代が納豆文化の始まりと言い切れる根拠はまだ見つかっていませんし、そもそも私たちが縄文時代とよぶ年月は、じつに1万年もの幅があるのです。